三船のブログ

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Memento mori 有名な言葉で学ぶラテン語文法

Mementō morī.(メメントー モリー) 死ぬのだということを覚えていなさい。 ラテン語の命令法には第一と第二がある。 第一は直ちになされるべき命令を、第二は将来にわたってなされるべき命令を表す。 mementō は単数に対する命令法第二。ちなみに複数人に…

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』の感想

経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。 (富士見ファンタジア文庫) 作者:長岡 マキ子 発売日: 2020/09/19 メディア: Kindle版 読んだ理由 表紙が可愛すぎた&タイトルも興味を惹いた 試し読みでかなり多く読ませてもらった&めちゃくちゃ良…

ネタバレあり『まほり』感想

本感想について(本感想とは本の感想という意味ではなく「本サービスは…」とか言うときの「本」。「当感想」もちょっと考えたけどこのややこしさを度外視すれば「本感想」の方がしっくり来たのでこちらを採った) ・核心レベルのネタバレはしていないつもり…

『図書館の魔女』本文穴埋めクイズ

『図書館の魔女』愛読者の方向け、細部の言い回しを当てるクイズです。【 】内に本来入っていた言葉を考えてみてください。全5問。2問目以外は結構難しいと思います。 第1問:第2章(しゅったつのときはちかづく)より 往来する牛車の車輪の軋み、【 】、物…

デレステイベント「クレイジークレイジー」を20ヶ月分のスタドリで走った

2016年12月下旬にデレステを始めてからずっと受け取り期限のないスタミナドリンクをプレゼントボックスに蓄えていたので、これを使って私の好きなユニット「レイジー・レイジー」が登場するイベント「クレイジークレイジー」を2000位以内狙いで走って、つい…

Aの閉包の閉包はAの閉包

開区間 に対する閉区間 ] のような概念を一般的に定めてみよう. 定義(閉包) 距離空間 の部分集合 に対し と定め、これを の閉包と呼ぶ. ただし、 は の 近傍. Remark 定義より、一般に である. 例 初めに述べたように、通常の距離を考えた距離空間 におい…

環上の加群の二通りの定義と同値性

以下、環といえば乗法単位元をもつものとする. また、左加群を指して加群と言っている. 定義(A) を環とするとき、 が 上の加群であるとは が加法群であり、写像 があり、次を満たすことをいう. として (A1) (A2) (A3) (A4) 定義(B) を環とするとき、 が 上の…

『図書館の魔女』の世界

小説『図書館の魔女』の世界設定について、大域的な解説をざっくりする。登場人物にまでは立ち入らない。 ■公式のあらすじ 鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになる。古…

上限の定義とちょっとした系

実数全体の集合ℝの部分集合Aに対して U(A):={x∈ℝ|∀a∈A, a ≤ x}とし、 supA:=minU(A)と定める。supAをAの上限と呼ぶ。 ここで特にx∉U(A) ⇔ ∃a∈A, x

『図書館の魔女(下)』最後の手紙の文法解説

『図書館の魔女(下)』pp.792-793の手紙をできる限り解説してみた。こちらは訳を見てから解読にとりかかれるのでキリヒト君より遥かに楽なのだが、思いの外大変だった上になお不明瞭な箇所がある。識者の御意見を請う。 以下に原文にマクロン(長音符号)を補っ…

『GIRL FRIENDS』フランス語版を読む 第8話(2)

フランス語版『GIRL FRIENDS』を入手した喜びのあまりこんな記事書きました。文法さらっとやったレベル(おそらく3級落ちるであろうレベル)の私が注目した台詞を挙げ、その下に原作で対応する位置の台詞を載せ、解説や所感を付しました。 実際の漫画の仏文…

『GIRL FRIENDS』フランス語版を読む 第8話

大好きな漫画で言葉を学べるのは、ひとえに原作者はじめ関係者各位、そして文明の進歩のおかげであります。心よりお礼申し上げます。 文法さらっとやったレベル(おそらく3級落ちるであろうレベル)の私が注目した台詞を挙げ、その下に原作で対応する位置の…

『図書館の魔女』シリーズ第一作に残された伏線

シリーズ第三作『図書館の魔女 霆(はたた)ける塔』の年内刊行予定が言い渡された。また直近五月には増補のある第一作下巻文庫版が発売予定とのこと。 さて本記事では上下巻として刊行された『図書館の魔女』シリーズ第一作中の伏線のうち、第一作中では回収…

『図書館の魔女(上・下)』の感想

前に一度この本の感想を書いたものの、読み返してみると言いたいことを言いきれていなかったのでまた書く。大きなネタバレは書かないように配慮したが、未読者は読まない方が良いかもしれない。 2015年1月下旬、私は言語学の、入門というか軽めの本を読むべ…

『図書館の魔女』における片仮名ルビ

『図書館の魔女』には片仮名のルビが多数登場する。英語なら比較的調べやすいが、フランス語やラテン語のうち英語圏に浸透していないものに関しては学修経験がないと調べるのが困難だ。そこで、十分な心得があるとは言いがたいが、私の方で調べづらいと思わ…