三船のブログ

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ネタバレあり『まほり』感想

本感想について(本感想とは本の感想という意味ではなく「本サービスは…」とか言うときの「本」。「当感想」もちょっと考えたけどこのややこしさを度外視すれば「本感想」の方がしっくり来たのでこちらを採った)

・核心レベルのネタバレはしていないつもりですがネタバレ回避したい方は読まないことをお勧めします

・事あるごとに同著者の作品『図書館の魔女』を引き合いに出しているので『図書館の魔女』を読んでいないとよくわかりません

あらすじ:

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?

 

導入のインパク

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『図書館の魔女』本文穴埋めクイズ

『図書館の魔女』愛読者の方向け、細部の言い回しを当てるクイズです。【  】内に本来入っていた言葉を考えてみてください。全5問。2問目以外は結構難しいと思います。

 

第1問:第2章(しゅったつのときはちかづく)より

往来する牛車の車輪の軋み、【  】、物売りの怪しげな口上、街頭での声高な商談、誰かから逃げ惑っている少年たちの喚声と、それを追いかけて響く叱責の金切り声、町のざわめきは渾然となってうねるように渦巻く。

ヒント:漢字3文字だけど読みは2音

 

第2問:第9章(うえにみつくびがまっています)より

――キリン、ミツクビを有能な官吏かなにかと思うな。彼は政治家でも軍師でもないよ。あれは【  】だ。

 

第3問:第14章(あたらしいしゅわをつくる)より

また今日の用箋の文字はマツリカにしては珍しく、いつもの流れるような草書体ではなくて古地図や【  】の書物に使われているような、一文字ひともじが独立した書体で記されてあった。

ヒント:○○学

 

第4問:第32章(ぎしょをめぐるぶんけんがくこうぎ)より

――本物の智慧、本物の技術、そこにこそ本物の生きた言葉が蓄積し、本当の魔術はこうしたところに実現するだろう。そしてそのための試行錯誤を書き留めた本物の書物が著され、これは大事に受け継がれていくだろう。曖昧なところなどない、本物の奥義の書物が。その時に誰がこの『緑玉板』のことを覚えているだろうか。誰が『緑玉板』のことを怖れているだろうか。誰が『緑玉板』の戯言に注意を払うだろうか。かつてこうした戯言が一世を風靡したという「滑稽な歴史」を辿る【  】だけが、この「錬金術の奥義の書」のことを覚えていることになるだろう。

ヒント:漢字3文字

 

第5問:第41章(しんせつのやまみちにこっきょうをこえ)より

「いくら暗号めかしてあっても、あんな平文で送ってくる意味がないだろう? どうしても私だけに伝えたいことがあるなら、私とハルカゼしか読めない文字なんていくらだって思い付くだろうに……二人で解読中の【  】を使っちゃうとかさ」

ヒント:きっと世界史で見たことのある言葉です。鉤括弧が使われていますが、これはキリヒトが通訳しているからです。

 

以下、解答です。

 

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デレステイベント「クレイジークレイジー」を20ヶ月分のスタドリで走った

2016年12月下旬にデレステを始めてからずっと受け取り期限のないスタミナドリンクをプレゼントボックスに蓄えていたので、これを使って私の好きなユニット「レイジー・レイジー」が登場するイベント「クレイジークレイジー」を2000位以内狙いで走って、ついでにどれだけのスタドリが溜まっていたのか集計しました。

 

イベント期間は8/19 15時~8/27 21時の足掛け9日でした。各日に使ったスタドリとその合計スタミナは以下の通り。

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4日目までは実家にいたのでそういうことです。

6日目の15時からイベント曲4倍消費ができる後半戦が始まりました。前半戦は自分の体力を信じて通常曲等倍消費でプレイしていたこともあってスタミナ消費が控えめでしたが、後半戦からはエンブレムを早く集めるために通常曲2倍消費に切り替えました。

走っている間は、同じイベントを走っていた隻腕ゴリラことシキPの放送を流したりしていました。モチベーションを保つ上で有効でした。

イベント終了時に残っていたスタドリは20が5本、10が30本、100が34本(手作りチョコレート2個を含む)でした。これらを合わせると、20ヶ月で集まったスタドリは19850スタミナ分となります。補足すると、LIVE PARTYやキャラバンで交換できるスタドリ10は交換したりしなかったりでした。

 

イベント結果は・・・

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無事2000位以内に入ることができました。レイジー・レイジーのイベントで初の2000位入りができて嬉しいです。イベントを走った皆様、お疲れ様でした。レイジー・レイジーのイベントに携わってくださったスタッフの皆様、ありがとうございました。これからも二人に幸あらんことを。

 

Aの閉包の閉包はAの閉包

区間 (0,1) に対する閉区間 [ 0,1 ] のような概念を一般的に定めてみよう.

 

定義(閉包)

距離空間 (X,d) の部分集合 A に対し

\overline{A} = \{x \in X \,|\, \forall \epsilon \gt 0 \,,\, B(x,\epsilon) \cap A \neq \varnothing \}

と定め、これを A の閉包と呼ぶ. ただし、B(x,\epsilon)x\epsilon 近傍.

 

Remark 定義より、一般に A \subset \overline{A} である.

 

 初めに述べたように、通常の距離を考えた距離空間 \mathbb{R} において \overline{(0,1)}=[ 0,1 ] となる.

 

閉包に関して次が言える.

命題

A距離空間の部分集合とすると

\overline{\overline{A}}=\overline{A}.

 

すなわち、閉包はさらに閉包を取ってもそれより大きな集合にはならない.

証明

<\overline{\overline{A}} \supset \overline{A}> Remark からわりと明らか.

<\overline{\overline{A}} \subset \overline{A}> x \in \overline{\overline{A}} とし、\epsilon \gt 0 をとると、閉包の定義より B(x,\epsilon) \cap \overline{A} \neq \varnothing なので y \in B(x,\epsilon) \cap \overline{A} をとる.

ここで \epsilon ':=\epsilon - d(x,y) \gt 0d は距離関数)とすると B(y,\epsilon ') \subset B(x,\epsilon) .

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平面でユークリッド距離の場合のイメージ図

なぜなら、B(y,\epsilon ') の元 z を勝手にとると、距離の公理より

d(x,z) \le d(x,y)+d(y,z) \lt (\epsilon - \epsilon ')+\epsilon '=\epsilon

となり、z \in B(x,\epsilon) が言えるからである.

また、y \in \overline{A} より閉包の定義から B(y,\epsilon ') \cap A \neq \varnothing なので、開球の包含関係から B(x,\epsilon) \cap A \neq \varnothing .

このことが任意の \epsilon で言えるので、x \in \overline{A} である. ▯

環上の加群の二通りの定義と同値性

以下、環といえば乗法単位元をもつものとする. また、左加群を指して加群と言っている.

 

定義(A)

R を環とするとき、MR 上の加群であるとは

M が加法群であり、写像 R×M→M \, ; \, (a,x)\mapsto ax があり、次を満たすことをいう.

 a,b \in R \, , \, x,y \in M として

(A1) 1_R x=x

(A2) a(bx)=(ab)x

(A3) (a+b)x=ax+bx

(A4) a(x+y)=ax+ay

 

定義(B)

R を環とするとき、MR 上の加群であるとは

M が加法群であり、環準同型 R→End(M) があることをいう.

 

 R 上の加群のことを  R 加群ともいう.

 End(M) に関する補足

アーベル群  M に対し  End(M) M から  M への群準同型全体から成る集合と定義する.

このとき各  x \in M に対し  (f+g)(x)=f(x)+g(x) を和、写像の合成を積とすることで  End(M) は環になる. この環を自己準同型環という.

 

定義(A)は加群の実態がわかりやすい. 定義(B)はより少ない文字数で同じ概念が定義できる. あとかっこいい. 枠青いし. それでは、以下でこの二つの定義が定める加群が同じものであることを示そう.

 

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『図書館の魔女』の世界

小説『図書館の魔女』の世界設定について、大域的な解説をざっくりする。登場人物にまでは立ち入らない。

 

公式のあらすじ

鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった―。

 

物語の舞台:海峡地域

モデルは現実世界の中世、ボスポラス・ダーダネルス海峡周辺。一ノ谷のモデルはビザンツ帝国、主人公一党の住まう一ノ谷王都のモデルはコンスタンティノープル島嶼地方はギリシアに対応する。

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https://theuthe.wordpress.com/2014/03/17/cartographia-fantastica/

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上限の定義とちょっとした系

実数全体の集合ℝの部分集合Aに対して

U(A):={x∈ℝ|∀a∈A, a ≤ x}とし、

supA:=minU(A)と定める。supAをAの上限と呼ぶ。

ここで特にx∉U(A) ⇔ ∃a∈A, x<aであることに注意する。自然言語で言うと、「Aのどんな元aに対してもa ≤ x」の否定は「Aの元aで、x<aとなるものがある」だということ。

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