『図書館の魔女』の世界
小説『図書館の魔女』の世界設定について、大域的な解説をざっくりする。登場人物にまでは立ち入らない。
■公式のあらすじ
鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声をもたないうら若き少女だった―。
■物語の舞台:海峡地域
モデルは現実世界の中世、ボスポラス・ダーダネルス海峡周辺。一ノ谷のモデルはビザンツ帝国、主人公一党の住まう一ノ谷王都のモデルはコンスタンティノープル。島嶼地方はギリシアに対応する。
https://theuthe.wordpress.com/2014/03/17/cartographia-fantastica/
https://www.google.co.jp/maps/@39.4682296,28.7207591,6z
■海峡地域の歴史
~~~
三度の海峡間戦役
間150年
一ノ谷を盟主とした多島海商業同盟が成立
二度の同盟市戦争(以後、100年の平和を維持し現在に至る)
(現在から10年余前)起こらなかった第三次同盟市戦争
~~~
■商業同盟成立の経緯―商業圏の拡大
元々、一ノ谷をはじめ海峡地域の共和政諸国家では通常、船団を保有する豪商が立法府に携わっていた。商業圏が国境を越えて拡大したことで政界で非戦論が主流となり、商業同盟が成立した。
■盟主が一ノ谷となった経緯―地勢上の利点
地勢上、一ノ谷は交通の要衝であり、通商を利し、それゆえ大きな国力があった。
■起こらなかった第三次同盟市戦争
当時には当然起こると思われていた戦役を、盟主一ノ谷が諸州間の利害を巧みに調整して封じ込めたという出来事。その方針を打ち出したのが王宮でも議会でもなく枢密組織「高い塔」であるということは既に公然の秘密であった。この「高い塔」に所属する人物が本作の主人公。
■一ノ谷の政治体制
一ノ谷では王政と共和政が併存している。
王宮(王室):三百年の伝統を誇る。統帥権(軍の最高指揮権)を握る。
議会(元老院):立法機関。
図書館(高い塔):史上最古の図書館として知られる。単なる図書館ではなく、王宮と議会に対し発言力を持つ諮問機関。
保険
この記事で初めて『図書館の魔女』を知った人は硬い話だという印象を持たれるかもしれないが、ちゃんと美少女要素とかもあるのでご安心頂きたい。ただし人物挿絵はない。しかし読んでみるとその方が良いと思えるはずである。