三船のブログ

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『GIRL FRIENDS』フランス語版を読む 第8話(2)

フランス語版『GIRL FRIENDS』を入手した喜びのあまりこんな記事書きました。文法さらっとやったレベル(おそらく3級落ちるであろうレベル)の私が注目した台詞を挙げ、その下に原作で対応する位置の台詞を載せ、解説や所感を付しました。

実際の漫画の仏文はすべて大文字ですが、この記事では改めています。また原作の複数のふきだしにまたがる台詞を載せるにあたって、空白の幅等にはあまり明確な基準は設けておりません。

次の略語を用いることがあります。inf. :不定法 ind. :直説法 sub. :接続法

 

Je me suis retrouvée si près de toi… que… sans m'en rendre compte… je t'ai embrassée…

あっこの寝顔見てて…そしたら… つい…あっこにキス しちゃってたの…

>se retrouver は「(ついに)…になる」の意味でとるのがいいと思われます。

si … que + 結果節 : とても…なので…だ。si と que が挟んでいるのは près de toi なので「あっこがすごく近くにいたから…」となります。

se rendre compte de … : …に気づく。この文では de + 名詞が en に変身してるわけです。さらに sans が不定法を従えて「(自分でも)気づかないうちに」となります。en が de + 名詞であることを意識するなら「それに気づかないうちに」でしょうか。

そして最後の je t'ai embrassée ですが、複合過去で助動詞が avoir でも直接目的語(te)が動詞の前に来ているので過去分詞は直接目的語に性数一致しています。キスした相手はあっこですから、女性単数です。

 全体を直訳すると「あっこがすごく近くにいたから、自分でも気づかないうちにあっこにキスしちゃった…」。

 

Et c'est juste pour ça que tu faisais la tête ?

なーんだあ そんなことかあ~☆

>faire la tête : すねる。que tu faisais la tête が関係詞節で、先行詞は ça です。「そんなことですねてたの?」です。

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Regarde les photos de Sugi, il faut toujours qu'elle embrasse tout le monde ♪

プリクラ見せた事ないっけ?すぎさんとちゅーしてるやつ♪

>Il faut toujours que sub. : いつだって…する。「すぎさんの写真見てよ、あのひといつだって誰とでもちゅーするんだから」です。

 

Lorsqu'elle a un peu bu, il vaut mieux ne pas se retrouver à proximité !

たまみんも飲むとキス魔になるから二桁はしてるかなー?

>Il vaut mieux inf. : …する方がよい。否定形は inf. の部分を否定して「…しない方がよい」の意味になります。

à proximité : すぐ近くに。「あの人が少し飲んだら、近づかない方がいいよ!」です。

この仏文は原典と内容が変わってしまっています。この文は上の Regarde les photos … の文の続きなので、elle の指示対象が Sugi になってしまっているのです。

 

Tu n'as pas à t'en faire pour si peu !

だから全然気にしなくていいよー

>n'avoir pas à inf. : …する必要がない。avoir à inf.「…しなければならない」の否定形です。先述の Il vaut mieux inf. と微妙に意味が違うので注意が必要です。falloir も含めて表にしときます。

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 s'en faire : 心配する, 気に病む。「そんな些細なことで気に病まなくていいよ」となります。

 

Je me suis fait des idées…

気にしすぎちゃったかな…

>se faire des idées : 考え違いをする。代名動詞の複合過去なのに fait が性数一致していないのは、この場合の me が間接目的語だからだと思います(des idées が直接目的語)。

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Mais je n'arrivais plus à la regarder en face, de peur d'avoir envie à nouveau de l'embrasser.

あっこの顔が見れなかった だって その笑顔を見たら きっと また キスしたくなっちゃうから――

>de peur de inf. : …してはいけないから

avoir envie de inf. : …したい

à nouveau : 改めて

不定法を導く成句が鎖のように繋がっている文です。にしても顔を見るたびキスしたくなるって、この頃からすでにまりちんはガチですね。素晴らしい。